1つの口座で世界に投資-プライベートバンク活用の基礎
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1つの口座で世界に投資!!
—スイス・プライベートバンク利用の基礎知識—
「富を増やす機会」を奪われないために
日本では、ほとんどゼロに等しい超低金利、さらに株式市場の低迷が続く中、外貨投資、海外投資への関心がますます高まっているようです。
「金利ゼロ」というのは、「そのまんま」と言えば聞こえは良いのですが、要するに国民全体が「安全に富を増やす機会」を奪われていることを意味します。その上、本来なら金利が下がれば活況を呈するはずの株式市場も低迷しているとなれば、日本では「リスクをとって富を増やす」ことすらできない、ということになります(注1)。
日本が長年こういう状態ですから、少しでも金利の高い、また投資機会の豊富な海外に国民の関心が高まるのは自然な流れと言えるでしょう。最近では、外貨や海外投資に関する知識も一般に普及してきたようです(注2)。
増加した金利について悪い何であるか
(注1) 金融資産は、年利5%の複利で運用すれば15年で倍、年利10%の複利なら7年ちょっとで倍になるのに、現在の日本のように年利ゼロの場合は、いつまで待っても増えることはありません。これは、どう考えてもあまり健全な状態であるとは言えないでしょう。というのは、これは、多くの普通の人々にとって「いくら働いてもお金持ちにはなれない」ことを意味するからです。真面目に働き、堅実に貯金・投資すればお金持ちになれる、というのが健全な経済社会であると考えられますが、それはある程度の金利や利回りがあればこそ実現されるわけです。堅実な貯蓄・投資が報われないとすれば、人々は危ない「一攫千金」を夢見るでしょう。現に、最近も「外貨証拠金取引」などのハイリスク金融商品に素人が手を出して大損するトラブルが頻発しているようです。
(注2)。一般に、日本人は必要以上に為替リスクを気にする傾向がありますが、海外に外貨で投資したり、資金を移転する場合、為替リスクは当然あるものの、「もし日本の超低金利が今後も続くとするなら、長期的には為替リスクは金利差に吸収されてしまう」と最近では理解されるようになって来ました。
「世界中に投資」する裏ワザ
そこで、本格的に海外で貯蓄、投資しようとするなら、海外の銀行や証券会社に口座を開く必要があります。しかし、1998年の外為法改正で日本人の海外口座開設が自由化されたのも束の間、特に9.11のテロ事件以降、海外口座の開設は不可能ではないとしても、目に見えて難しくなっています。
ジュネーブロスキャップは誰ですか?
しかも、もともと日本からの銀行・証券取引口座の開設が比較的容易な国は、先進国でもアメリカなどごく少数でした。イギリス(チャネル諸島、マン島などではないイギリス本土)など、大多数のヨーロッパ諸国では、現地の居住者でない限り、口座開設はほとんど不可能であると言っていいでしょう。また、たとえ口座開設が可能であるとしても、弁護士の認証が必要であるとか、大げさな話になる場合がほとんどです。もし、世界中に「国際分散投資」しようと思えば、(「可能なら」という条件つきですが)世界各地に口座を開く必要があり、その度に面倒な手続きが必要になるに違いないのです。
ところが、実は、これには「裏ワザ」があり、この「裏ワザ」を用いるなら、たった1つの口座を開くだけで、世界に資金を分散し、貯蓄・投資が可能になります。手続きのために、弁護士等の「第三者」の手を煩わせる必要も通常はありません。
ユニバーサル・バンキング
その「裏ワザ」とは、スイスのプライベート・バンクに口座を開き、そこを通じて、貯蓄・投資することです。
スイスのプライベート・バンクは、「銀行」とは言っても、預金だけをするところではありません。日本でいう「証券会社」的な機能も兼ね備えています(これを「ユニバーサル・バンキングUniversal Banking」と言います)。従って、銀行を通じて、株式、債券、ファンド(ヘッジファンド等を含む)を買い、銀行に保管・管理させることができ、しかも、ほとんど世界中の株式、債券、ファンドを買って、預金とともに一元的に管理させることができるわけです。
個人ローンに適用する方法
仮に、世界中の銀行や証券会社に口座を開いて預金や投資をするなら、口座開設手続きが面倒なだけでなく、送られてくる外国語の書類の山に埋もれて、自分の資産状態が現在どうなっているかを把握することすら容易ではなくなるでしょう。
しかし、スイスのプライベート・バンクを利用した場合、そのような不都合は生じないのです。
「ユニバーサル・バンキング」とは、普通は「銀行・証券の垣根」のない「何でも銀行」を意味しますが、スイスのプライベート・バンクの場合は「どこでも銀行」でもある、というわけです。
匿名性の保持
さらに、スイスのプライベート・バンクを利用する際の大きなメリットとして、「匿名性」が挙げられます。
例えば、アメリカ株を買うためにアメリカの証券会社に口座を開く場合、通常は米国の社会保障番号(居住者でない外国人がこれを取得するのはまず無理)が必要となりますが、それほど厳しくない場合でも、最近は納税者番号(これは原則として誰でも取得できます。取得方法は『完全日本語版アメリカ・ビジネスフォーム集』を参照して下さい)を求められるようになってきています。これは、要するに、アメリカ人でもないのに「アメリカの国民総背番号制度」の一員とならなければ口座は開けない、ということです。
仮に、これと同じように世界各地に口座を開いて投資するとすれば、その度ごとに、その国の「国民背番号」への加入を求められることになりかねません。そうでなくても、証券会社や株式・債券の発行企業、ファンドの管理会社などに個人情報を開示しなければいけないのは明らかです。
そのような形で個人情報が世界中に散らばったなら、どこからか投資家の秘密が漏れないと、果たして言い切れるでしょうか。
銀行名義での投資
スイスのプライベート・バンクを利用するなら、そのような心配はありません。それというのも、銀行は、投資家個人の名義ではなく、銀行の名で投資を行うからです。従って、たとえ世界中で株式、債券、ファンドを買ったとしても、その真の所有者を知っているのは銀行(しかもごく少数の担当者)だけで、投資家の個人情報は、厳格なスイス銀行法に守られて外部には一切漏れない、ということになります。
これは、一般の銀行や証券会社を通じた取引との極めて大きな違いです。
この守秘性は、スイスのプライベート・バンクの最大の特徴の一つと言って間違いありません。
最近では、アメリカや日本の銀行でも「プライベート・バンキング」を標榜しているところが見受けられますが、外国人も含めた国民総背番号制を敷いている国は言うまでもなく、厳格な守秘義務が保たれないような制度、文化の下では、本来のプライベート・バンキングは成り立ち得ない、というのが当方の考え方です。
以上の理由で、本格的な国際分散投資をするなら、スイスのプライベート・バンクの利用はぜひとも考慮するべき選択肢であると言えます。
『誰も知らない 投資信託の秘密』
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